交差点を出た直後、気づく。ハンドルに手を置いたまま、iPhone に触れる隙がない。
バイク用マウントを付けていても、録画の「開始」はいつも一瞬の問題だ。信号で止まってタップすれば間に合う——そう思っていると、急いで車線変更してきた車の映像が抜ける。
MotoLens の Siri 連携は、この問題への答えのひとつだ。
なぜ「自動録画」ではなく「ワンアクション」なのか
MotoLens を使い始めて最初に疑問に思う人が多い:なぜ自動で録画が始まらないのか。
答えはシンプルで、録画は自動では始まらない。行程検知機能はライドの開始を感知して通知を送ってくれるが、実際に録画を始めるのはユーザーのアクションだ——通知をタップするか、Siri に指示するか。
これは意図的な設計で、「気づいたら録画されていた」という状況を避けるためだ。だから「ハンズフリーで録画したい」というニーズへの答えが Siri になる。
Siri で録画を始める実際の流れ
ヘルメットをかぶる前、または停車中に一度試しておくのが鉄則だ。
- MotoLens を起動して行程検知をオンにする
- 出発前に「ヘイ Siri、MotoLens で録画を開始して」と話しかける
- アプリが録画を開始するのを確認する
- 画面をロックしてマウントに戻す
これだけだ。走行中に Siri を使いたい場合は、必ず赤信号か停車中に行うこと。正直なところ、出発前に済ませてしまうのが一番合理的だと思う——乗り込む前にルーティンに組み込めば、高速道路に入ってから「あ、録画してなかった」という事態がなくなる。
ヘルメットとグローブがあっても使えるか
フルフェイスのヘルメットをかぶった状態で iPhone のマイクが拾える距離は、機種とマウント位置によって異なる。高速走行中の風切り音でほぼ聞こえなくなるケースもある。
確実なのはインカムを使う方法だ。Bluetooth インカムがあればマイクがヘルメット内にあるため、Siri への指示がかなり通りやすい。
もうひとつの選択肢は、走り出す前のルーティンに組み込むこと。ヘルメットをかぶる前に録画を開始してしまえば、走行中に Siri を呼ぶ必要がない。行程検知の通知が来てから対応するより、ずっとシンプルだ。
バックグラウンド録画中の iPhone の使い勝手
あまり知られていないが、MotoLens の録画はバックグラウンドで動き続ける。録画を開始したら画面をロックしても問題ない。
つまり、Apple Maps や Google Maps でナビしながら、バックグラウンドで MotoLens が録画している状態を維持できる。ビデオ録画とナビアプリは共存する。
クリップはアプリ内のライブラリに自動保存され、どのクリップが何時から始まったか、GPS ルートはどうだったかが一覧で確認できる。長距離ツーリングの後に見返すのが、個人的には地味に楽しい。
通知タップ方法との使い分け
| 状況 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 出発前から録画したい | Siri(ヘルメット前に) |
| しばらく走ってから開始したい | 通知タップ(停車中) |
| インカムあり | Siri(走行中も可) |
| グローブが厚くてタップしにくい | Siri |
どちらも同じ結果にたどり着く。前者はより意識的なルーティンとして機能し、後者は走り出してからの判断に対応する。
録画を始める習慣そのものが大事
MotoLens のユーザーから聞く話で一番多いのが「記録しておけばよかった」という後悔だ。接触しそうになったとき、予想外の景色に出会ったとき、大切な仲間との走りを残したいとき。
Siri 連携は、そのハードルをひとつ下げる。グローブを外さなくていい。画面を操作しなくていい。声をかけるだけでいい。
通勤でのバイク録画についてはこちらの記事も参考にどうぞ。