同じ道を週5日走っていると、ある種の慣れが生まれる。信号のタイミング、右折レーンの渋滞が伸びやすい時間帯、見通しの悪い交差点の位置——全部知っている。知りすぎているくらいだ。
そして今朝、見たことのない車の動きに当てられた。クラクションを鳴らして、ギリギリをすり抜けて、なんとか回避した。後でその交差点のことを思い出しながら「あの瞬間の映像があれば」と思った。
通勤ルートこそ、記録が必要な理由
ツーリングに行くとき、多くのライダーが録画の準備をする。でも通勤は?「また同じ道だし」と省略しがちだ。
これは逆だと思う。週に5日走る道こそ、何かが起きる確率が一番高い。ツーリングは年に数十日だが、通勤は年に200日以上になる。そして「見慣れた道だから大丈夫」という感覚が、判断を一瞬遅らせることもある。
保険会社への申告でも、トラブルの相手との話し合いでも、映像があるとないとでは結果が大きく変わる。
朝の出発前——1タップから始まる
MotoLens – Motorcycle Dash Cam はApp Storeから無料でインストールできる。
設定で行程検知をオンにしておくと、MotoLensがバイクに乗ったタイミングを察知して通知を送ってくる。それをタップすると録画が始まる。それだけだ。手がふさがっているなら「ヘイSiri、MotoLensで録画を開始して」でも同じ結果になる。ヘルメットの中でボソっと言うだけでいい。
録画が自動で始まることはない。通知タップかSiriコマンドが必ず必要だ——MotoLensはそういう設計になっている。
iPhoneをマウントして録画を始めたあとは、画面をロックしてそのまま走り出せる。バックグラウンドで録画を続けるので、スクリーンを操作する必要はない。
帰宅したら:クリップライブラリの使い方
今日の録画は、クリップライブラリにGPS軌跡と一緒に保存されている。
通勤中に何もなければ、確認して削除する。これで終わり。何かがあったなら、該当するクリップを書き出しておく。GPS情報には時刻と位置が含まれているので、保険会社や警察に提出できるかたちになっている。
慣れてくると、毎朝録画して帰宅後に確認するのが習慣になる。週に1回、不要なクリップをまとめて削除すればストレージもあまり圧迫されない。
いざというとき、映像があるとなぜ違うのか
「右から来た車が急に割り込んできた」という主張を、10秒の映像が証明する。GPS付きなら場所も時刻も記録されている。Dashcam映像が事故処理に役立った事例は増えていて、保険会社も映像付きの申告への対応に慣れてきている。
映像がないと、それは記憶対記憶の話になる。どちらが正しいかより、どちらが信じられやすいかの話になる。
バイク通勤でMotoLensを使い続けるコツ
毎朝の手順を増やすのは、最初はめんどうに感じる。実際に続いている通勤ライダーは「行程検知の通知が来たらタップするだけ」という感覚が定着しているという。
バイクのエンジンをかける前に、通知を確認してタップ。ヘルメットをかぶって、走り出す。雨の日の通勤録画についてはこちらの記事に詳しくまとめている。通勤ライドに限らず、雨天でも記録を続けるための実用的なコツが載っている。
ツーリングのために設定したアプリを、通勤のためにも使い続けている人が多い理由は、これが「使うのをやめる理由がない」くらい手間がかからないからだと思う。