「iCloudのストレージ容量が不足しています」——この通知が何度目かわからなくなっている人は多いはずです。
対策は2つしかありません。iCloud+に課金して容量を増やすか、今あるデータを整理して容量を作るか。ただ、整理せずに課金してしまうと、同じ状況が数ヶ月後に繰り返されます。まず何が容量を食っているかを把握してから動く——それが正しい順番です。
何が容量を使っているかを確認する
設定 > あなたの名前 > iCloud > ストレージを管理 を開くと、使用内訳がリスト表示されます。
多くのユーザーで見られるパターンは、「バックアップ」「写真」「メッセージ」の順です。上位3〜4項目がほぼすべての容量を占めていることが多く、ここを順番に対処するだけで追加課金なしに解決できることがあります。
iPhoneバックアップの整理が最優先
バックアップが原因になっているケースは意外と多いです。特に過去に機種変更したことがある場合、旧機種のバックアップがそのままiCloudに残っていることがあります。
ストレージ管理画面で「バックアップ」をタップすると、デバイス別のバックアップ一覧が確認できます。今使っていないiPhoneのバックアップは削除しても問題ありません。1件のバックアップで3〜5GB消費しているケースも珍しくなく、削除するだけで体感が大きく変わります。
注意点がひとつ。削除したバックアップは元に戻せません。「このiPhone」と表示されているエントリ(今使っているデバイスのバックアップ)は消さないこと。
整理の優先順位を参考までに挙げておきます。
| 対象 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 旧機種のバックアップ削除 | 大(数GB回収の可能性あり) |
| 重複・不要な動画の削除 | 大(動画1本で数GB) |
| iCloudドライブのファイル整理 | 中(使い方次第) |
| iMessageの添付ファイル整理 | 小〜中 |
| 「ストレージを最適化」の設定 | 端末の空き容量改善に効く |
写真と動画の扱い方を変える
写真は量が多いため、iCloudを圧迫する主な要因になりやすいです。対策の方向性は2つあって、混同しないことが重要です。
端末の空き容量を増やしたい場合:設定 > 写真 > 「iPhoneのストレージを最適化」をオンにします。オリジナルデータはiCloud側に保持しつつ、端末には軽いサムネイルだけを残す設定です。写真の見え方は変わりませんが、オリジナルを開くときWi-Fiがないと読み込みが必要になります。そこはトレードオフです。
iCloudの使用量自体を減らしたい場合:不要な写真や動画を削除するしかありません。特に動画はファイルサイズが大きく、4K/60fpsで1分あたり400〜600MB程度になります。数分のビデオが積み重なると数GBに達するため、動画の整理は効果が高いです。
似たような写真が大量にある場合——連写写真、同じ場所で撮った複数枚、スクリーンショットの溜まり——を手動で整理するのは時間がかかります。EverClean AI(App Storeで無料ダウンロード)を使うと、AI検出で重複・類似写真をグループ化して表示してくれるため、まとめて削除しやすくなります。
iCloudドライブとアプリデータ
正直、「その他」カテゴリはほぼ手が出ません。Siriのデータやヘルスデータがこのカテゴリにまとめられていて、個別に削除する方法がないからです。時間をかけてもほとんど変わらないので、バックアップと写真の整理を優先した方がずっと効率的です。
「バックアップ」「写真」の次に多いのが、iCloudドライブ内のファイルです。
ファイルアプリを開き、「iCloud Drive」内を確認してください。Pagesの書類、大きなPDFファイル、ダウンロードしたコンテンツなど、使わなくなったファイルが眠っていることがあります。
ストレージ管理画面でアプリ名をタップすると、そのアプリが何GBのiCloudデータを使っているかも確認できます。使っていないアプリのiCloudデータを削除するという選択肢もあります。
iMessageの添付ファイルは見落としやすい
メッセージアプリで受け取った写真や動画は、iCloudメッセージが有効な場合にiCloudへ同期されます。
長年同じApple IDを使っていると、メッセージ経由で受け取った写真や動画が積み重なって数GBになることもあります。設定 > あなたの名前 > iCloud > ストレージを管理 > メッセージ で確認してみてください。
根本的な対策としては、設定 > メッセージ > メッセージを保存 を「30日間」や「1年間」に設定しておくと、古いメッセージが自動削除されていくので長期的に効果があります。ただしこの設定変更は元に戻せないので、本当に不要なメッセージだけが対象か確認してから行ってください。
iCloudの整理は一度やれば終わりではなく、定期的にやる必要があります。数ヶ月に一度、ストレージ管理画面を開いて状況を確認する習慣をつけておくと、通知に追われることが減ります。
そもそものデータを増やさない工夫——カメラ設定でHEIF形式を使う、重複写真をこまめに削除する——も長期的に効いてきます。iCloud以外のストレージも含めた総合的な整理方法はiPhoneのストレージを空ける完全ガイドにまとめてあります。
課金は「整理してもまだ足りない」とわかってからでいい。まず使っていないものを消すところから始めましょう。